参考文献要約表:三輪眞弘を理解するために(ver.2.8 2024/6/7改訂)
横軸が共時的・階層的・個体発生における発達の段階を示し、右に行くほど高度になります。縦軸は通時的・物語論敵・系統発生的な進化の段階を示し、下が古く、上に行くほど新しくなっています。どの学説・理論を含めるかは偶然的な邂逅によるものに過ぎず、どれを含めないかについてはスペースが有限であるため、重要性や影響力の大きさよりも関心が深いものを優先せざるを得ないという事情があります。それゆえまた、今後も追加・削除が行われる可能性があります。端的な言い方をすれば、作者の脳内の風景を定着させたものに過ぎませんが、三輪さんの活動を理解するためのマップとして、何某か参考になるのではと考えます。
また、個体発生の段階としては、チャン・ドゥク・タオの説に大まかに拠っていますが、対応は厳密なものではありません。
縦軸は、古い時代についてはチャン・ドゥク・タオの説による区分を示し、概ねジェインズの二分心の時代以降については、藤井貞和さんの物語論的な区分を示し、人工知能研究が始まった1950年代以降は、概ねカーツワイルに拠っています。年代も示していますが、当然のことながら、特に古い時代については学説によって大きく変動があるため、単なる目安に過ぎません。示した年代の選択に根拠があるわけでもなく、単なる一例を示しただけです。当然ながら、各学説・理論のカバー範囲については、年代で合わせているのではなく、年代の違いは無視して、こちらも極めて大まかな対応に過ぎないとはいうものの、意識の段階の方で合わせてあります。
表の下の凡例にある通り、色分けの意味は、それぞれの学説・理論がカバーする範囲を大まかに示したものです。ただしこれも明らかなように、それぞれの学説・理論が扱う範囲には、中心的な部分と周辺的な部分があり、周縁についての濃淡は程度の問題ですから、ここで示した範囲はあくまでも目安に過ぎません。また、以下のどれに属するのかの分類もまた、明らかな場合もありますが、アドホックな場合もあります。例えば藤井貞和さんの区分は、寧ろ編年的な区分を廃し、それぞれが重層し、通時が共時に入り込む様相を示すことに重点があるので、ここでの表現ではその意図を反映できていません。
・青色:どちらかというと通時的で、⇔で示した対象の時代のみ意味があります。
・緑色:どちらかというと共時的で、箱の幅で示した意識レベルのみ意味があります。
・金色:⇔で示した対象の時代と箱の幅で示した意識レベルの両方に意味があります。
・橙色:大まかに箱の位置により、対象の時代・意識レベルを示しています。
また、通時軸の下側には、上記の意識レベル・対象の時代にマップすることが困難だけれども、意識の問題と関連が深かったり、三輪さんの活動を理解するために重要と思われるものを示しています。その中でも時間論は意識の問題との関わりが非常に深い領域ですので、下に独立させて緑色で、対象の意識レベルを大まかに示すことにしました。
今後、この要約表で取り上げられた学説・理論についての参考文献(それは「人工知能と音楽の未来:梗概と補遺」と重なりますが、完全に一致するわけではありません)を示すとともに、それぞれについて簡単な紹介を付ける予定です。
(2019.1.19暫定公開, 1/23,24,25要約表改訂, 6/18改訂2版 6/22フォーマット補正, 7/26改訂)
2019.6.18の追記:
個体発生の軸に、山田洋子さんの『ことばの前のことば』で提示されている幼児の発達のモデルを追加しました。タオのものは個体発生・系統発生の両方を扱っている点で依然としてユニークなものであるためフレームの一つとして残しますが、現時点の私の考えでは、個体発生の軸は山田洋子さんの説を基準にするのが適切に思われます。
2019.7.26の追記:
(1)統合失調症を進化論的な観点で扱った研究(ホロビンと加藤敏さん)を追加。いずれもジェインズの「二分心仮説」を参照しています。
(2)関連領域に南島歌謡(宮古島狩俣)を追加して、万葉集と入れ替え。三輪さんの『極東の架空の島の唄』を思い浮かべて頂ければと思います。
(3)アフォーダンス的なアプローチで個体発生軸を言語の獲得までカバーしたリードの研究を追加。こちらはフォルマント兄弟の活動に関係します。
リードのアフォーダンスの心理学が、個体発生軸を言語の獲得までカバーしているだけでなく、環形動物以降人間までの系統発生軸をカバーしているとして、表現を改めました(緑色→金色)。
2019.11.9の追記:
文化レベルと遺伝子レベルの共進化を主張するジョゼフ・ヘンリックの『文化がヒトを進化させた』を追加しました。
2019.11.9の追記:
文化レベルと遺伝子レベルの共進化を主張するジョゼフ・ヘンリックの『文化がヒトを進化させた』を追加しました。
2021.4.9の追記:
マックス・テグマークの『LIFE3.0』およびカール・フリストンの『自由エネルギー原理』を追加。関連領域として、ベイズ推論とカタストロフィー理論を追加しました。
2021.8.9の追記:
シモーナ・ギンズバーグ, エヴァ・ヤブロンカ 『動物意識の誕生』における意識の成立条件としての「無制約連合学習」を追加しました。
2021.8.10の追記:
マックス・テグマークの『LIFE3.0』に関する編集ミスを修正して、8.9版を更新しました。
2021.12.29の追記:
マックス・テグマークの『LIFE3.0』の階層の記述を訂正(共時軸から通時軸へ)・デネットの階層を追加、ギンズバーグ=ヤブロンカを通時方向にも追加、共時軸にソームズの神経精神分析を追加、フリストンの自由エネルギー原理およびギンズバーグ=ヤブロンカの無制約連合学習を関連領域に追加しました。
2022.1.1.の追記:フリストンの自由エネルギー原理を共時軸に追加。フリストンの自由エネルギー原理およびギンズバーグ=ヤブロンカの無制約連合学習を関連領域から削除し、人文工学(三輪)、ブリコラージュ(レヴィストロース)、動物感覚(グランディン)、社会脳、カオス・フラクタル、量子コンピュータを関連領域に追加しました。
2024.6.7の追記:ユク・ホイの再帰性と偶然性を共時軸に追加。マンクーゾ、カルボの植物の知性に関する研究を追加しました。
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